鳳凰三山 鷲ノ住山 (1534m) 2011年7月12日
所要時間 3:48 夜叉神駐車場−−4:45 登山道入口−−4:57 鷲ノ住山 5:01−−5:10 林道−−6:09 夜叉神駐車場
概要
夜叉神駐車場より往復。平日でバス便始発が遅いため林道は往復とも歩いた。冬ルートなので道が薄いかと思いきや、思いの外明瞭で藪皆無。山頂は樹林で展望なし。これで山梨県内地形図記載の山で未踏峰は鐘撞山のみ
山梨県内の地形図記載の山で未踏なのは、南アの鷲ノ住山と北丹沢の鐘撞山の2つだけとなった。鐘撞山は標高が低いので涼しくなってから登るとして、鷲ノ住山はそこそこ標高があるので夏でも登れないことはない。ただ、ここは南アルプス林道の途中にあって、この林道は夏はマイカー規制、それ以外は冬季通行止めで車で入れる時期はない。どうせ行くならバス運行期間にして往復ともバスを利用するのが一番手軽だ。今年はもう梅雨明けしてバスも運行しており、富士山の翌日に軽い山に登るのにいいだろう。ただ、平日でありバスの始発が遅すぎるため、林道は歩くことにした。カシミールで概略の道のりを計測すると約5kmだった。
夜叉神駐車場のゲート。夜間は施錠 | 夜叉神トンネル入口 |
平日なので夜叉神駐車場の混雑は無いと踏んだがその通りでガラガラだった。広河原間を行き来するバスもガラガラだ。これだから夏山シーズンの平日はいい。気温も適度で窓を開ければ快適だった。ゲート近くに車を入れて早めに寝た。翌朝、3時に起床、飯を食ってまだ真っ暗な4時前に出発。「正式」にゲートが開くのは5時だか5時半なので(それ以前に関係者が入ることがある)、車がやってくるまでしばらく時間がかかる。夜叉神トンネルや観音経トンネルなど長いトンネル内で車がやってくるのは怖いのであった。運転手が人間が歩いているかもしれないと考えつつ運転していればいいのだが・・・。
夜叉神峠西口登山口 | 北岳〜間ノ岳の稜線 |
北岳山荘の明かり | 鷲ノ住山が登場 |
長い夜叉神トンネルを抜けて観音経トンネルも抜ければもう長いトンネルはなく安心して歩ける。夜叉神トンネルを抜けたところでのみ大唐松山の山頂を見ることができ、それ以降は滝沢頭山がでかくて隠れてしまった。やがて農鳥岳や間ノ岳も見えるようになり、駐車場がある場所ではライトが煌々と輝く北岳山荘がはっきりと見えた。まだゲートオープン前なのに、峠方向から広河原に向けて軽トラと軽自動車が走り去ったが、道の安全確認らしかった。
細かいトンネルを抜けて進んでいくとずんぐりした鷲ノ住山が見られる箇所があった。野呂川へと急激に落ち込んでいるが、今回は林道から山頂まで歩くだけなので、どれだけ谷に落ち込もうとも関係ない。これが冬に池山尾根を歩くとなると帰りにこれを登るのだから精神的、肉体的に疲れる。
鷲ノ住山展望台バス停。登山口はこの少し先 | 登山口 |
最初は露岩帯を歩く | なぜか電線あり |
岩が消えて樹林の尾根を行く | 索道跡? |
林道が大きく右に曲がって尾根を乗り越えて下りにかかるところが鷲ノ住山入口で、冬の白根三山登山道入口である。冬道なので無雪期は藪に埋もれているかと思いきや、夏道同等の明瞭な道が上がっていた。標高的にも1500m近くあり、植生は落葉広葉樹林にシラビソが混じり始めた状態で地面付近の藪は皆無であった。最初は露岩混じりで変化もあり楽しめるが、危険なレベルではない。露岩帯が終わると樹林の尾根に変わり、明瞭な道を緩やかに上がっていく。途中、索道の跡であろうか、鋼鉄製の骨組みでできた門のような構造物があった。地面には枯れ枝に混じって蛇もいたが、まだ早朝で気温が低く活動できないようで足で地面をドンドン踏んで振動させても全く逃げなかった。
もうすぐ山頂 | 鷲ノ住山山頂 |
なおも緩やかに樹林を登っていくと最高点に到着。特に目印があるわけでもなく休憩するための広場もなく登山道が僅かに南に外れたところを通っているだけの特徴の無い場所だった。冬の白根三山を登るような連中にはこんなピークはどうでもいいのかもしれない。おまけに周囲はずっと高い山ばかりで、ここは斜面の中腹のこぶに過ぎない。樹林が茂って展望も無い。でもここは地形図記載の山頂であり、これで山梨県内の山で未踏は鐘撞山のみとなった。完全制覇までもう少しだ。
テープを残して下山開始。ほとんど虫もいなくて快適だったが、アブだろうか、足を2箇所ほど刺されて激痛が走った。左足の刺された跡は広範囲に微妙に痒く、アブだったかちょっと疑問ではあるが。
林道から見た野呂川 | 林道から見た間ノ岳〜農鳥岳 |
林道から見た北岳〜間ノ岳(クリックで拡大) | |
林道から見た別当代山 | 林道から見た大滝頭山 |
林道から見た大唐松山 | 夜叉神駐車場のゲート。昼間は監視員がいる |
林道に出て約5kmを延々と歩いて夜叉神駐車場に戻った。途中ですれ違ったのはジャンボタクシーだけで、まだバスの始発は運行されていないようだった。夜叉神トンネルを抜けると気温が上がったのが体感できたが、それでも歩くのをやめれば快適な温度だった。